エアコンクリーニングの質問と答え29「エコ洗剤とアルカリ洗剤の違いとメリットデメリット」

まず初めにエコ洗剤についてご説明します。

エコ洗剤は高性能で汚れをきちんと除去が可能、かつ洗浄で出る廃液も生分解性が高いと銘打っております。

平たく言いますと短期間で洗剤の成分が分解消滅して自然環境にやさしいというのがウリです。

一方、業務用で利用される一般的なアルカリ洗剤は主成分が水酸化ナトリウムと言う化学物質です。

水酸化ナトリウムは洗浄力が非常に強力でよく知られております。

この水酸化ナトリウムを固形のフレーク状にしたものがよく聞く苛性ソーダです。

まずエコ洗剤を利用する最大のメリットです。

エコ洗剤の水溶液は人体に触れても健康に対する影響がほぼ皆無です。

多くの製品は素手でも作業が可能です。

エアコンクリーニングを行う作業者はエコ洗剤で作業をしますと安全で清掃作業がとても楽です。

お客様の気持ちにすれば例えば洗剤が作業個所に大量に残留して、その部分を小さなお子様が触れてしまうといった危険を想定、心配をする事もハウスクリーニング業者に依頼する条件としてとても重要な事だと存じます。

そうした事でエコ洗剤を使用する業者さんに依頼される事は確かに理解できます。

清掃作業中に作業しているスタッフさんの安全を考慮する事も会社側としてはとても重要な事と存じます。

一旦話は飛びます。

それに対して水酸化ナトリウム主体の業務用アルカリ洗剤(以下アルカリ洗剤と表記)は作業前にビニールシート等による作業箇所及びその周辺の養生については厳重に行う必要があります。

洗剤はボトルから出した直後は刺激が強いです。

室内でこぼしてしまいますと設備や物が変色を起こしたりする事が有りますので細心の注意が必要です。

また作業中は作業スタッフさんは洗剤が肌に直接付着しないようにする、目に入らない様にゴーグル等でガードをするなどの必要もあります(自分はゴーグル無し、不織布マスク一枚だけで15年位作業してますが)。

アルカリ洗剤を十分に使いこなせるようになるには長期間で数多くの作業の経験、熟練を要します。

作業スタッフさんの作業中の安全性においてはエコ洗剤に軍配が上がると確かに言えましょう。

ちなみにエコ洗剤とアルカリ洗剤を比較した洗剤の分解性についてですが以下。

まずアルカリ洗剤についてですが主成分の水酸化ナトリウムという物質の性質上、水酸化ナトリウムは空気中の二酸化炭素と化学反応をして自然に分解して重曹に変化してしまいます。

重曹(炭酸水素ナトリウム)はお料理で使われたり胃腸薬の原材料にされたりと人体に非常に有益な物質です。

アルカリ洗剤は上記の通り刺激が強く作業中は洗剤が付着した部分は化学反応を起こして人体、設備に悪影響が出ます。

作業スタッフは防御装備をして清掃か所とその周辺も厳重に養生をする事を必要とします。

しかしながら洗剤は高圧洗浄機で十分にすすぎを行います。

エアコン設備各部の水ぶき及びすすぎを行った後でしたら洗剤は微量に残留したとしても化学反応で無害な物質になっています。

その日のその場から設備の使用においては100％安全を保障できます。

洗剤の分解性については実は清掃作業後においてはアルカリ洗剤の方がエコ洗剤と同等、もしくはそれ以上と言えます。

エコ洗剤は実は洗浄時のすすぎが足りませんと白い粉の状態になってしまってエアコン周囲に残留付着して目視できることが珍しくありません。

人体、環境への負荷は小さいながらも、ほおっておいても自然に分解消滅はしません。

すすぎや水ぶきなどで物理的に除去しない限りその場にずっと残り続けます。

ちなみにアルカリ洗剤の水酸化ナトリウムは性質的に水分が大好きです。

仮に作業個所に残留があって粉末化していたとしても空気中の水分を自分で自分に呼び込んで吸着して自ら重曹に変化して無害化してしまうと言う非常に使用上有為な特性があります。

同じく水酸化ナトリウムが主成分の苛性ソーダのフレークも空気にさらすと溶けだしてバラバラだったのが一塊になって固まってしまいます。

ですので苛性ソーダの保存は空気に触れないように結構気を使って密閉して行われております。

肝心の洗浄力についての比較ですがエコ洗剤の最大のデメリットと言ってもいいですが‘エコ洗剤は洗浄効果が多くは望めません。

エコ洗剤については作業中の作業者や住人であるお客様の安全が何より優先されて製品が製造設計されております。

エコ洗剤のこうした面は安全性についてはメリットと言えます。

ですが反面洗浄能力についてはデメリットになってしまいます。

家庭用洗剤に毛が生えた程度で二の次だと、ご承知下さい。

その為エアコンクリーニング作業後に作業後それほど期間を置かずににおいが復活する等のケースはエコ洗剤を使用の現場の方が圧倒的に多いです。

自分自身でもエコ洗剤を使用した感想としては正直ほこりを洗い流すだけの代物だと思いました。

汚れやにおいの根本的な除去までは到底望むべくもありませんでした(石鹸由来のエコ洗剤でした)。

またエコ洗剤の大きなデメリットに価格が無駄に高価と言う点が挙げられます。

これが値段が高価でも品質が良いものでしたらお客様に提供する価値はあると存じます。

エコ洗剤は値段も高価です。

その分のコストは確実に作業料金に転嫁されております。

エコ洗剤のこうした事に対する正直な感想ですがお客様が無駄な内容に対して高い金額を払わされているのが実際のところと存じます。

一言で申しますと「高かろう悪かろう」です。

ただし安全性という面においてのみ着眼すれば抜群に安全です。

言い換えると有効な洗浄成分に乏しくほとんどクリーニングの意味がない作業内容と同義なのですが。

例えば赤ちゃんがおられるご家庭などでどうしても安全だけを優先させたい、という事情、ご都合がありましたらそれはそれでアリだと存じます。

お客様においてはそうしたエコ洗剤、アルカリ洗剤の双方のメリットデメリットを良く鑑みて下さい。

その上でどちらを使用している業者さんにご依頼されるかのご判断されることを所望する次第でございます。

当店はエコ洗剤の存在価値は100％否定することはありません。

それでも「アルカリ洗剤を空き缶に一晩つけ置きをしておいたら空き缶に穴が開きました」とかの水酸化ナトリウムの効能について批判をするハウスクリーニング業者さんは知識に乏しく有用な努力もしようとしない仕上がりの質の低い実力の無い業者という事をぜひご承知下さります様心よりお願い申し上げます。